【上海=河崎真澄】中国当局がスマートフォン向け無料通信アプリなどの交流サイト(SNS)を標的に情報統制を一段と強めている。国家インターネット情報弁公室は9日までに、国内企業が運営している「微信(ウィーチャット)」について、「国家利益を守るため」として監視体制を強化する方針を公表した。 ネット大手の騰訊(テンセント)が運営する微信の利用者は6億人以上。当局は3月から段階的に取り締まりを強化してきたが、新規定では、「利用者は法律法規、社会主義制度、国家利益、公共秩序、情報の真実性など7項目の『守るべき一線』を承諾しなければならない」と明記。運営側にも通信内容の細かいチェックと通報を求めている。 当局は統制の理由として、新疆ウイグル自治区などで頻発する暴力事件を念頭に「テロ対策」を挙げており、共産党体制への批判を封じ込める狙いがある。 中国当局が情報統制を敷けない海外SNSには「遮断」で対抗する