第二次大戦末期の1945年8月9日、ソ連軍は、突如として、満洲(現在の中国東北部)に侵攻を開始しました。当時、日本とソ連との間には中立条約が結ばれていたことから、この侵攻は日本にとっては完全な奇襲となり、満洲国に駐留していた日本軍は僅か1週間で壊滅します。 ソ連が、国際条約を無視してまで対日参戦に踏み切った表向きの理由は、早期に戦争を終わらせ、人民を戦禍から解放することとされていましたが、本音は、アメリカによる原爆投下で一気に現実味を帯びた日本の降伏によって、日本領土の分割を図ることであったというのが、現在ではほぼ通説となっています。 ところが、ソ連による満洲侵攻には、もう一つ、アメリカ寄りの中華民国に対する牽制の意味が強かったのではないかとする見方が、最近の研究で明らかになってきました。 国共合作くずれても圧倒的に有利だった国民党軍 1945年5月にドイツが降伏すると、枢軸国でただ一国戦