関東大震災後、復興のシンボルとして東京・隅田川に再架橋された国の重要文化財の永代橋(えいたいばし)(東京都中央区、江東区)の工事過程を記録したモノクロ写真約五百枚が都内の建設会社の倉庫で見つかった。基礎工事では日本で初めての工法が取り入れられており、完成までの工程を詳細にたどれる貴重な資料という。 (松村裕子) 一九二三年の大震災で炎上した永代橋は、隅田川の最下流にある「帝都の門」として、隅田川架橋工事での国の震災復興事業第一号として再建が進められ二六年に完成した。 写真が見つかったのは江東区の建設会社「オリエンタル白石」の子会社倉庫。同社の前身企業を創業した故・白石多士良(たしろう)氏は、旧内務省復興局の嘱託として永代橋建設の技術指導に携わった経験があり、この経緯から写真が同社に保管されていたらしい。 東京帝大を卒業後、米国留学で最新の土木工事を学んだ白石氏は、川底を深く掘り進む「潜函(