かつて、台湾が日本の一部だった時代があった。日本の台湾統治は、1895年の日清戦争の勝利で始まり、1945年の太平洋戦争の敗北によって、ちょうど半世紀で終止符を打たれた。50年という時間は決して短くない。日本と台湾は、統治と被統治という不平等な関係ではあったが、台湾の近代化に貢献しようと頑張った日本人も多かった。結果として、台湾では建築や鉄道など多くの「日本」が残され、いまもなお生きている。その一方で、姿を消した「日本」も少なくない。地名の大半は、孫文や蒋介石など指導者の名前から取った「中山路」や「中正路」や中国の地名に改められた。日本人の信仰の対象であった神社もまた、消え去った「日本」だとすっかり思われてきたのだが、このところ、いささか様子が違うのである。 (ジャーナリスト・野嶋剛/Yahoo!ニュース編集部) 日本統治時代に、無数の神社が台湾に建てられたが、日本人が去ると管理する者もな
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