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今昔物語集 三獣行菩薩道、菟焼身語
今昔、天竺に莵・狐・猿、三の( )獣有て共に誠の心ををこして菩薩の道を行ひけり。各思はく、「我等前... 今昔、天竺に莵・狐・猿、三の( )獣有て共に誠の心ををこして菩薩の道を行ひけり。各思はく、「我等前世に罪障深重にして賎き獣と生たり。此れ、前世に、生有る者を不哀ず、財物を惜て人に不与ず。如此くの( )罪み深くして地獄に堕て苦を久く受て残の報にかく生たる也。然れば此の度び、此の身を捨てむ」。年し、我より老たるをば祖の如くに敬ひ、年、我より少し進たるをば兄の( )如くして、年、我れより少し劣たるをば弟の如く哀び、自らの( )事をば捨てて、他の事を前とす。天帝尺、此れを見み給て、「此等、獣の身也と云へども、難有き心也。人の( )身を受たりと云へども、或は生たる者をころし、或は人の財を奪ひ、或は父母をころし、或は兄弟を讎(あだ)敵の如く思ひ、或は咲(えみ)の( )内にも悪しき思ひ有り、或は恋たる形にも嗔(いか)れる心深し。何况や( )、如此の獣は、実の心深く難思し。然れば試むと思して忽に老たる翁の