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アルコール依存者の幸福
アルコール依存の体験とそれにかかわる様々なことさて、前回まで、ひとりの傲慢な医療スタッフの例をと... アルコール依存の体験とそれにかかわる様々なことさて、前回まで、ひとりの傲慢な医療スタッフの例をとりあげてきたのだが、こんな人間はどこにでもいがちであって、全員が似たような傾向を持っているとは思わないでいただきたい。 ただ、こうした人物がひとり存在するだけで、その場の全員でつくりあげてきたものが、いきなりご破算になってしまうケースもあるということだ(そしておそらくそれは少なくない治療の場で起きていると私は推測している。なぜそう推測するのか、追々、具体的に考察していく)。 「イラ沢」とほぼ同年代の男性看護師がいた。 彼はイラ沢とは違って、威圧感を振りまくこともなく、不自然な笑顔をつくることもなく、むしろ、初めて見た人の中には「いい加減なんじゃないか」という印象を抱く人もいるはず、というくらい、いい加減に見えるのだった。 残念なことに、私は彼とほとんど親しく接する機会がなかったが、彼はいい加減に