生政治の誕生 - 池田信夫 blog

本書のタイトルから、生政治という言葉でよく語られる「監視社会」批判の類を想像する読者も多いだろうが、フーコーはこうした問題にはまったく触れていない。彼が主題とするのは、生政治のもっとも洗練された形態としての経済的自由主義であり、その代表はハイエクである。生政治と自由主義というのは、常識的には対極にあるように思われるが、フーコーが晩年の『知への意志』でも警告しているように、自由を抑圧からの解放と考えることは、ナイーブな左翼的錯覚である。逆に、自由主義はきわめて高度な統治技術を必要とするのだ。大いなる規律の技術、すなわち個々人の行動様式をその最も細かい細部に至るまで毎日規則正しく引き受けるものとしの規律の技術が発達し、急成長し、社会を貫いて拡散するのは、自由主義の時代と正確に同時代のことでした。[・・・]ここにおいて管理はもはやパノプティズムの場合とは異なり、ただ単に自由に対して必要な歯止めで

[contractio]

ブクマコメントたちがキモい件↓

[deepbluedragon]

下手な人文学者よりまともなフーコー理解。池田信夫は細かい勘違いや問題ある態度も多いけれど、このフーコーとハイエクへの注目には感心。生権力と分散された知識は表と裏。近代経済学は近代エピステーメだし

[mn_kr]

生政治←→新自由主義。法制度。刑罰制度における市場主義⇒統治者の無知。

[sarutoru]

再中心化

[tach]

おお！フーコーってこんなに面白かったの？　それともこれは池田信夫のまとめ方が巧いのか？

[oriono]

「彼の華麗な言説は「現代思想」の成果を踏まえ、ハイエクの素朴な古典的自由主義を否定するようでありながら、最後には両者は限りなく接近していたようにみえる」

[castle]

「自由を抑圧からの解放と考えることは、ナイーブな左翼的錯覚である。逆に、自由主義はきわめて高度な統治技術を必要とする」「（管理は）自由の原動力「主権者は無知でよく、むしろ無知でなければならない」