秀才について（再録シリーズその２） - 内田樹の研究室

東北関東大震災から二週間が経った段階でこの原稿を書いている。被害の規模はまだ確定していない。原発事故の先行きも不透明である。それでも、東電と政府の初動に問題があったことはほぼ確かとなった。「海水投入による廃炉」を初期段階から検討していたら、被害はここまで拡大しなかっただろう。国民の多くはそう思っている。なぜ、その決断ができなかったのか。私はこの「遅れ」のうちに日本型秀才の陥るピットフォールを見る。 秀才は判断が遅い。ことの帰趨が定まったあとに「勝ち馬に乗る」ことで彼らは成功してきた。その成功体験が骨身にしみついているので、彼らは上位者の裁定が下る前にフライングすることを病的に恐れる。ひとたび「正解」や「勝者」が示されると、素晴らしいスピードでその責務を果たすけれども、「どうふるまっていいかわからないとき」にどうふるまうべきかは知らない。つねに正解してきたせいで、危機的局面においてさえ、秀才

[geopolitics]

ミスをもっとも嫌うのが日本人（国民）だから秀才は冒険をしない。他人（秀才）の責任ではなく国民一人一人の責任。近代以降西欧の正解を真似て発展した来たこともある。教育に関しては先人の知恵を真似ることが重要

[isengard93]

凡才の臆病者である自分にもこのフリーズはわかる。というか、単に臆病者の証左かもしれない。失敗すると言うことを極度に恐れるため、確かに身体と頭が動かなくなる。逆に見ればそれは空気を読む能力と同根

[web_officer]

本質はそこではない。正解を提示されていない状態で、確かなエビデンスのない選択をすると誰かが責任を取る必要がある。彼らは何もしないことによって責任の所在を「東電」という集団に擦り付けることに成功した。

[fijixfiji]

いかに勝ち馬に乗るか／状況を適切な問いの形に変換できた時点で、問題の半分以上は解決した

[Keysrapid]

ストリートスマートとアカデミックスマート、という言葉を使った方が言わんとすることがわかりやすい。

[tsuneaki02]

「[…]『胆力のある人間』の育成は教育の最優先課題[…]」(だ。なぜなら、)「[…]示される前に[…]決断が下せる人間[…]はシステムの保安状必須で[…]」(、)「[…]体系的に涵養すれば[…]組織的に生み出[…]」(せるからだ)

[ustar]

なんだか吉田所長の話をしてる気がするんですがこの時点で出てきてましたっけ？

[thesecret3]

そのあまりに大雑把な単純化によって世の中の秀才を理解した気になるのが「正解」なのだろうか。

[mhkj]

日本の姿そのものとダブります。でも普通、有能なイエスマン集団とペアになるのは独裁者なんですが、日本の場合今までは宗主国様でしょうか。だとすれば日本で独裁者を受容する素地が出来ている事になります。←呪？

[gimonfu_usr]

それについて 　http://p.tl/O9Ip　http://p.tl/AdwH　 海水を停めたのは誰で指示したのは誰なのか。というか、まあ、http://p.tl/jKu6　こういう話もあるので。

[tetsu_1895]

秀才について（再録シリーズその２） (内田樹の研究室)

[zakinco]

『「海水投入による廃炉」を初期段階から検討していたら、被害はここまで拡大しなかっただろう』え？

[usj12262]

同意しない

[m_yanagisawa]

なるほど＞「「胆力のある人間」の育成は教育の最優先課題である」

[d0i]

パトレイバー(ゆうきまさみ版)の後藤隊長を思い出した。「おれのカンじゃだめか？」(甲一種体制発令に対する根拠をおたけさんに求められての台詞、だったと思う)

[kazu64]

秀才は「正解」がないと動けない。それは「知的体力」＝ようわからんけども、「これが大事」という勘が働く、がないからであろう。