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順列都市、パーフィット、人格の同一性 - らいたーずのーと
■「高度に発達したSFはホラーと見分けがつかない」と言われることはないが、優れたSFはときに恐怖に近い... ■「高度に発達したSFはホラーと見分けがつかない」と言われることはないが、優れたSFはときに恐怖に近い感情を呼び起こす。グレッグ・イーガンの近未来SF『順列都市』もまた、そのような意味で恐ろしい作品だ。 物語の舞台は21世紀半ばの世界で、この時代、すでに記憶や人格というものを情報としてコンピュータに“ダウンロード”できる技術が広まっていた。研究者のポール・ダラムは、みずからの研究のために自分自身の〈コピー〉を作り上げる。物語は、この〈コピー〉のポール・ダラムが、コンピュータの中の世界で目を覚ますところから始まる。〈コピー〉のポール・ダラムは、目を覚ました直後、自分自身の決断の愚かさを強く後悔する。あらかじめ備わっているはずの自殺用プログラムを起動して実行しようと試みるが、その機能は“ダウンロード”のあと、現実世界のオリジナルのポール・ダラムによって消去されていた。死にたくても死ねないからだ
2010/09/14 リンク