2008-04-01 - 空中キャンプ

大澤真幸の本を読んでいたら、十八世紀の後半に「読書革命」と呼ばれる動きがあった、ということが書かれていた。これがすごくおもしろかった。読書革命とは、音読から黙読へと読書の形態が変化していくことと関係しているという。 今、わたしたちがおこなっている読書は、ひとりでおこなう黙読である。「ただ黙ってページをめくり、活字を目で追う」というしかたで本は読まれる。これがもし、誰もいない部屋でひとり元気に「カラマーゾフの兄弟」を朗読しながら、そのまま最後まで読了した人がいたら、わたしはなんかいやだ。なぜならちょっとこわいからである。 しかし、読書革命いぜんは音読が主流だった。文盲の人がおおかったため、その地域で文字が読める数少ない人のところに集まって、朗読される内容を聴くというかたちで読書はおこなわれた。そこでの読書は、共同体の儀式のような役割を担っていたという。それが黙読へとスタイルを変えることによっ

[murashit]

空中キャンプさんのエントリを見ていると大澤真幸の講義に出てみたくなる．1回生のときに見に行った頃は人ばかり多くておもしろくないイメージしか持たなかったのがもったいなかった，かも．

[sakstyle]

読書革命に伴う想像力の変化。一人称的な手法だけでなく、三人称的な手法（？）が可能になる

[kohedonian]

なんかで記憶にあるな、とか思ってたら爆問でセイゴオが喋っててなんたる偶然。/meanwhileという語はたしかに口語のものではない。/共同体の話は明治期の日本人がsocietyの翻訳語に「社会」を与えるのに苦労した話と繋がる

[takunama]

"日本近代文学の起源" (isbn:4061960180)、"Meanwhile の発見"。"国のように、目には見えないけれども均一な空間として存在するような場所が、物語の中にあらわれたとき、Meanwhileという言葉がリアリティを獲得しはじめる。"

[hujikojp]

当時も俯瞰的に見える人はいて、でも丘の上の馬鹿扱いされたのだろうか