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<渋谷/キャスリン・ビグロー新作> 誰しも、自分の人生が1mmも前進している気がせず、いつになったら... <渋谷/キャスリン・ビグロー新作> 誰しも、自分の人生が1mmも前進している気がせず、いつになったら俺の人生は動きだすのだろうかと焦燥感にかられながら、いつ終わるとも知らない待機の時間を耐えた経験を持つようにおもう。<待機>には奇妙なリアリティがある。われわれが生きる時間のほとんどは、無為で空虚な待機に費やされるのではないか。ものごとが一気呵成に進展することなどまれで、ほんの少し前進すれば、また長い待機の時間があり、あらたなきっかけを得て前進すれば、次に待っているのはさらなる待機でしかない。そのようにしか、たいていの現実は前に進まない。 『ゼロ・ダーク・サーティ』の157分という長尺は、つまりは主人公のCIA分析官マヤが耐えた待機の時間でもあり、ゆえに物語は長尺であること、観客が物語を通じて待機を追体験することが要請されるのではないだろうか。劇中、彼女はひたすらに待たされる。何の進展も新し
2013/03/02 リンク