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学説史と客観性
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったもの... このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 いったん擱筆した論文ではあるものの、長くなったのでふたつに分割、別の雑誌に載せてもらうこととします。分割の過程で気になったのは、『紫式部日記』の御冊子作りの記事が、『源氏物語』ではないとする説。最近では西の研究者から相次いで発信されていますが、学説に地域性があるって、なんか変じゃありません? 局に物語の本ども取りにやりて隠しおきたるを、御前にあるほどに、やをらおはしまいて、あさらせたまひて、みな内侍の督の殿にたてまつりたまひてけり。よろしう書きかへたりしはみなひき失ひて、心もとなき名をぞとりはべりけむかし。 この「物語」を『源氏物語』と特定したのは、池田亀鑑で、『源氏物語大成』には、『源氏物語』諸本