私論：二宮の変 その１ - 孫呉秘書省在建業

まずは、wikipediaなどにみられる、「二宮の変で家臣団が真っ二つに割れたんだよ」説について、反論をしていきたいと思います。 そもそも、これがどこから来ているのかというと、孫和伝注に引用されている『通語』という資料に掲載されています。……というか、どうもそれしかなさそうです。それによると、太子派が「丞相の陸遜・大将軍の諸葛恪・太常の顧譚・驃騎将軍の朱拠・会稽太守の滕胤・大都督の施績・尚書の丁密」魯王派が「驃騎将軍の歩騭・鎮南将軍の呂岱・衛将軍大司馬（2010.11.23修正）の全・左将軍の呂拠・中書令の孫弘」となっています。それぞれそうそうたる顔ぶれですねぇ。 ですが、よく読んでみると、驃騎将軍が二人いるのがおわかりでしょうか。朱拠と歩騭です。どうも怪しいなぁと思って確認してみると。 陸遜 丞相（244-245）、上大将軍（229-245） 諸葛恪 威北将軍（-246）大将軍（246