ミイラ取りの田中さん - 傘をひらいて、空を

彼に対して田中さんという呼称を使用する人はいない。田中さんは複数いて、彼はもっとも新しく来た人だからだ。下の名前と同じ読みの人もすでにいる。そんなだから、座席表は「田中（浩）」、近しい同僚からの呼び名は「ミーさん」で落ち着いた。ミはミイラのミである。 田中さんは中途採用、今年度で三年目に入った。というのは表向きのことで、ほんとうは中途ではない。田中さんは採用時二十八歳で、学校を出たばかりだった。履歴書を読むと大学院博士課程満期退学、と書いてある。新卒じゃん、と私の上長は言い、そうですね、と私はこたえた。けれども、私たちの会社では新卒というのはどうやら二十代前半までで、だから田中さんは新卒扱いにしたくないらしいのだった。そんなのどこにも書いてないじゃん、と上長は言い、書いてないですねと私はこたえた。 採用チームは人事担当ならびに採用対象の所属する予定の部署で組む。私は採用チームで年齢がいちば

[mazmot]

ミイラになりたい

[footwork_x]

“いつもなんとなし愉快そうであって、よく人を褒める。それだけのことだけれど、選んでつきあっているのでもない相手ばかりの会社という場所でそれだけのことができる人はあまりいない。”

[yokogamiyaburi]

良記事。“反応を気にするのは自分が愛する人間やミイラだけでよいのだという。なんだろう、ミイラの反応って。”

[smartstyle]

ほんわかした〜。

[LethalDose]

おもしろい。ミイラの発掘では学位が取れないのだろうかとか、わかっていて進学したのだろうかとか、ちょっと気になった。

[yutoma233]

かわいいし素敵な人。このぐらいのスタンスでいいの、ミイラより饒舌で優しい！くらいの気持ちで働きたい。