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東日本大震災:路上生活「名前は捨てた」…仙台 - 毎日jp(毎日新聞)
「カメラマンか?」と問われ、記者だと答えると「荒浜はどうだ?」とまた問われた。紺色の作業着姿で肩... 「カメラマンか?」と問われ、記者だと答えると「荒浜はどうだ?」とまた問われた。紺色の作業着姿で肩に大きなバッグ、白髪交じりの短髪で、無精ひげが伸びる。こけたほおや深いしわが1カ月を超えた路上生活の苦労を物語る。その男性と出会ったのは取材の下見帰りの27日夕、仙台市青葉区のJR仙台駅西口のベンチだった。 よどんだ目で彼が話した身の上は--。 震災前。ベンチから約10キロ離れた海辺の同市若林区荒浜地区に、足腰が弱い妻と住んでいた。勤め先で被災し震災翌日、タクシーと徒歩で荒浜へ。津波に襲われた自宅は土台しかない。その2日後、一部が欠けた妻の遺体に両手を合わせ、そのまま去った。避難所に一晩いた後は駅や公園を転々としている。 「母ちゃんを守れなかった俺が他人様の手を借り生きて何になる。もうどうでもいい」。気づけばベンチに座っていた。震災から1週間。「母ちゃん……」とつぶやき、初めて泣いたという。 何
2011/04/29 リンク