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» 加藤周一『日本文化における時間と空間』を読む [さまざまなデザイン]
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自分が生まれた国のことは、長い間、国の外に出て生活してみないと分からないと思っています。国の良さ... 自分が生まれた国のことは、長い間、国の外に出て生活してみないと分からないと思っています。国の良さや悪さという散文的な感想ではなく、国の「かたち」というべき全体構造が外からでないと見えてこないのです。外国に住んで、多くの人と何らかのことを営み、喜んだり悲しんだりしていかないと自分の生まれた国のことが分からない。それはぼくの経験では、最低、10年くらいを要するのではないかとも感じています。 よく「自分の生まれた国のことも、感覚を鈍らせないように・・・」とか言う人がいますが、こういう人は、異文化と時をともにするということがよく分かっていない人です。ある世界に住むのは、他の世界の何かを捨てることです。何も捨てずに、新しい世界の中身を取り入れることはできません。捨ててこそ、見えてくる世界の価値を認識すべきでしょう。加藤周一『日本文化における時間と空間』(岩波書店)には、長く外国に住んだがゆえに見えて