蝕まれる心、企業生き残りの代償 第2回〜あるケータイ用ソフト技術者の場合（2） - ニュース - nikkei BPnet

（長田美穂＝フリーライター） 働く環境の変化は、対応を迫られるビジネスパーソンの心に異変を起こしている。前回の紹介：携帯電話機用の組み込みソフトを開発する谷村健二氏（仮名）は、開発期間の短縮、残業の増加に頭を悩ませながらもリーダーとして仕事に打ち込んでいた。ところが、あるプロジェクトへの参加を機に、わずか2カ月で休職する事態に陥った。彼に一体、何が起こったのか。 谷村が最後に任命されたプロジェクトは、いつもと同じく、携帯電話の組み込みソフトを混成チームで開発するものだった。ただ一つ違ったのは、谷村の役割が、チームリーダーではなくサブリーダーだったこと。出先の端末メーカーでそれを聞いたときは耳を疑った。しかしプロジェクトチーム方式では、チーム編成はそのときの開発状況次第で変わる。リーダーでないことにいつまでも拘（こだわ）るつもりはなかった。 新チームのリーダーは端末メーカーの技術者だった。谷