『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝：ご覧じろ』

東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう！ 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 客席と舞台が一体となる旅芝居。 ドサ役者が演ずる芝居には、ドサイズムが。 今日の、ドサ芝居を良くご覧（ろう）じろ。 この小説はフィクションです 「ご覧（ろう）じろ」 ２ 「ワシら、舞台に上がったら、芝居根性は負けまへんで。 ワシなんか、 お母ちゃんのオッパイ飲みながら芝居してましたんや。 歌舞伎座の役者も、小さいころから仕込まれるけど、 赤子の時から芝居してた子は、ワシぐらいなもんや。 歌舞伎の世界に、お弁当をつける言う符丁が有るんやけど、 ワシらのお弁当は、大盛り弁当や」 大吟醸を旨そうに飲む。 「そのお弁当いうんは、どんな弁当ですの？」 お銀が伺う。 「ベッピンはん、弁当いうても、 駅弁みた

[higashimoto28]

赤ちゃんの頃から……