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夏目漱石「坑夫」を読んだ
2ヶ月くらいかけて、ダラダラちょっとずつ読んだ。 ・人間の気持ちはすぐに変わってしまうこと ・現実に... 2ヶ月くらいかけて、ダラダラちょっとずつ読んだ。 ・人間の気持ちはすぐに変わってしまうこと ・現実には小説のように一貫性、物語性がないこと が繰り返し書かれていたように思う。 相手のごく一面しかしらないのに、分かった気になる人間の多さに辟易している印象も受けた。そう言うものへのアンチテーゼとして、分かりづらい一貫性のない作品にしたのかもしれない。 主人公は自暴自棄な気持ちで家出して、鉱山に入るまでは世界に現実感を感じられず、自分の周りで起こる出来事に対してお客様気分でいた。抗不安薬や抗うつ薬を飲んだダウナー状態に近い。体操座りして足元のアリの行列をただ眺めているような。 ただ、鉱山の飯場に入り、獰猛なコウフたちから自分に対する嘲笑や、 鉱山の穴(シキ)の中で生命の危険を感じるうちに世界に生きる実感を取り戻す。 ただ世界への実感を取り戻すにしても、そこで自分の生活の指針を決めて一貫した行動を