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江戸散策 │ 第53回 │ クリナップ
ちょっと寒くなったなぁ、と思えば、今ならエアコンのスイッチひとつですぐ部屋は暖かくなる。江戸時代... ちょっと寒くなったなぁ、と思えば、今ならエアコンのスイッチひとつですぐ部屋は暖かくなる。江戸時代はそうはいかない。寒いと感じたら、炬燵や火鉢(ひばち)を出して暖まればいいと思いがちだが、このような暖房器具を使い始める日というものが決められていた。寒かろうが、暑かろうが、十月の亥(い)の日である。幕府から強制されたわけでもなく、江戸の人々はこの日を守っていた。この日を「炬燵開き」とか「炉(ろ)開き」と呼んだ。亥の日に暖房器具を出すことは一種の行事であり、習慣でもあったようである。 旧暦の十月は初冬である。だんだん寒くなり、武家も町屋も冬支度をする。武家屋敷の「炬燵開き」は、十月の初亥の日(最初の亥の日)、町屋の一般庶民は、二番目の亥の日(12日後)と決まっていた。ここの差は身分からくるものだが、庶民はさほど不満はなかった。暖房には、木炭などの燃料費がかかるため、少し我慢するだけでその間は節約
2017/07/15 リンク