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「ヘイト本」を置かない、という選択|安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
今の仕事を始めた頃、昔は出版社が取材費を出してくれたらしいこと、発表先にあまり困らなかったらしい... 今の仕事を始めた頃、昔は出版社が取材費を出してくれたらしいこと、発表先にあまり困らなかったらしいことを、写真家、ジャーナリストの先輩たちから度々耳にしたことがあった。「らしい」と書いたのは、私が今の仕事を始めた時点ですでに、発表先の選択肢は限られ、取材費をどこかに出してもらえることもほとんどなくなっていたからだ。 街の書店が次々閉じていってしまうのも、紙媒体が売れなくなっていく「流れ」に抗えなかったからなのだと単純に考えてしまっていた。けれど小規模な書店を取り巻く苦境が、出版不況の波によってだけ語れるものではないことを知った。『13坪の本屋の奇跡』を読んで。 この本はジャーナリストの木村元彦さんが、創業70周年を迎えた大阪・谷六のわずか13坪の本屋「隆祥館書店」の”軌跡”をたどった一冊だ。創業者である故・二村善明さんは、地域の人々に本を勧め、読書による地域づくりに力を尽くしてきた人だという
2022/07/26 リンク