失われてしまったケーキの話 - 琥珀色の戯言

一昨日の21時前、嫁の携帯電話が鳴った。 こんな時間に誰が何の用だろう？と言いながら出た嫁は、「いえ、ちがいます」などとしばらく話をしてから、電話を切って思案顔。 「何の電話だったの？」 「うん、それがねえ……ケーキ屋さんから『ご注文のケーキ、まだ受け取りに来られてないんですけど』って。この間、クリスマスケーキをその店で注文したときに、あなたの誕生日ケーキも一緒に注文したんだけど、ちゃんと、『12月27日』って言ったつもりだったんだけどなあ……でも、こっちでちゃんと『12月』って念を押したわけでもないし、このままだと、あのケーキ屋の店員さん、店長とかに怒られるよね……」 嫁は、しばらく考えてから、僕にこう言った。 「ねえ、ケーキ、食べたくない？」 （たぶん）嫁が言い間違えたわけではないと思うが、注文したときに確認したわけではないし、12月24日のケーキとともに、12月27日のケーキを注文す

[capsuleq]

「どうすればよかったのかな」って、笑い飛ばしながらタダでケーキ引き取って、12月来店時にちょっとした花でも持ってお礼すればいいんじゃないの？　じめじめして深刻でナイーブな夫婦だ

[spica]

過失元が店か自分達か判りかねる“間違いケーキ”の逸話に対する、「子供の誕生ケーキに市販品は判るが、大人の誕生ケーキは自作が当然」というコメント。私の意識は完全に真逆だったので、びっくりして保存した。

[section7]

人それぞれの「常識」について詮索するコメントにびっくり。うちは「普通」じゃないので、クリスマスと２７日の夫の誕生日は別にお祝いしてますよ。

[ruiner]

コメント欄の青島さんが怖い。なんでそこまでムキになっているの？

[kaerudayo]

思い違いってあるよなぁ。この間は楳図かずおがまるまる収録日を1か月早く間違えて来て、ＮＨＫ、びびったそうだ。クリスマス前後にはケーキにまつわる悲喜劇は多い。

[chibama]

こういう話をさらっと読ませるように描けるのはいいなあ。

[kodaif]

"おそらく、捨てられてしまっただろう。僕たちはあの日、どうすればよかったのかな。お互いに悪気がなかっただけに、かえってあのケーキにとても申し訳ないことをしてしまったような気がしてならない。"

[ekken]

小説みたいな話だなぁ。

[kanimaster]

“「もう一度ケーキ屋を襲うのよ。それも今すぐにね」と彼女は断言した。「それ以外にこの呪いをとく方法はないわ」”　（『ケーキ屋再襲撃』より…………うそです。）