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『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』良き敗者の魂 - HONZ
「二課の花はサンズイ」と言われる。警視庁捜査二課は、汚職や詐欺、横領、背任、選挙違反などを摘発す... 「二課の花はサンズイ」と言われる。警視庁捜査二課は、汚職や詐欺、横領、背任、選挙違反などを摘発する部署だ。「サンズイ」は汚職の「汚」のサンズイに由来する隠語で、ゴンベン(詐欺)やギョウヨコ(業務上横領)などに比べ事件の格が一段上とされる。二課の刑事にとって、汚職事件の摘発は、命がけで成し遂げたい悲願である。 『石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの』は、警視庁創設以来初めてといっていい巨大な事件に立ち向かった刑事たちの活躍を描くノンフィクション。「石つぶて」とは、小さな石ころを意味し、転じて価値のないもののたとえにも使われるが、本書に登場する無名の刑事たちの奮闘ぶりは、眩い輝きを放って読者の心に強い印象を残す。 警視庁創設以来、二課が手がけた事件の中で、もっとも複雑かつ巨大な事件。それは外務省内閣官房報償費流用事件、いわゆる「機密費」流用事件だ。 発端はささやかな内部告発だった。外務省に出入
2017/08/17 リンク