『仮釈放』吉村昭｜更生の意味、保護司のあり方 - 書に耽る猿たち

『仮釈放』吉村昭 ★ 新潮社［新潮文庫］ 2024.06.02読了 つい先日、吉村昭さんの作品を読んだばかりだが、中毒性があるのかまた読みたくなった。本当は長崎を舞台にしたある小説を探していたが、書店にあったその文庫本の表紙が破れかけていた（こういうのはがっかりだけど、リアル書店で本自体を確認できるという良さでもある）ので、、ひとまずこの『仮釈放』を読むことにした。 妻を刺殺、妻の愛人を刺傷し、愛人の母を焼死させた罪で無期懲役となっていた菊谷史郎は、服役成績が優秀であったために仮釈放が認められた。仮釈放されある程度自由な生活ができても、無期刑というものは変わらない。どこにいても保護観察があり、旅行に行くにも保護司に伝える義務があり、また選挙権はない。菊谷が望んでいたような本当の意味での自由はなく、人の目を気にして生きなくてはならない。どう足掻いても無期刑というのは一生涯付きまとうものなのだ

[honzaru]

nmukkunさん　そうなんです、タイムリーだったので驚きました。まだ真相はわからないですが、もし保護観察対象者が、保護司になんらかの被害を与えてしまったとしたら、前代未聞のようで本当に心苦しいです。

[arashi_golf]

いつもありがとうございます。吉村昭さんの作品は破獄、漂流、三陸海岸大津波など傑作が多数ありますが、やはり羆嵐が圧巻ですね。

[nmukkun]

タイムリーなお話ですね。２人の心のすれ違いを思うと、保護司という(ボランティアとも言える)役割がどれだけ大変か、報道と重ねて思います。読んでみたいです。