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帝国図書館の生き字引鹿島則泰 - 神保町系オタオタ日記
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篠田鑛造『明治開花綺談』の「牢内の阿辰弥太郎」に、帝国図書館の鹿島則泰が出てくる。 上野図書館の生... 篠田鑛造『明治開花綺談』の「牢内の阿辰弥太郎」に、帝国図書館の鹿島則泰が出てくる。 上野図書館の生字引といわれた鹿島則泰翁は、昭和十五年の春同館を勇退されたが、館内のあらゆる書籍に翁の呼吸のかからぬものはない。筆者はなにかにつけて翁をわずらわし、秘書の披閲に便利を獲ていた。今や翁同館を去られるについて、胸中一片の淋しみは、落花の夕にたたずむ心地である。 翁の先代は則文氏、号を桜宇、国学の大宗で安井息軒の門にも遊び、和漢の全籍に通暁し、本朝典故に精しく、夙に勤王の士と交わり、皇室の式微を慨嘆する等、ついに幕府の嫌忌に触れて八丈島の流刑に処せられる。その裁断中、伝馬町の牢内に在り、青木弥太郎に推されて一番名主の畳の上に、読書吟咏の暗き日を送られたものと思う。 鹿島が昭和9年7月に開催された偽書偽作座談会の出席者であることについては、「書盗学者にして偽書作成者島田翰」参照。なお、同年10月1日現