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洗いたてのタオルのために - 傘をひらいて、空を
疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。その後しばらくして増え、い... 疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。その後しばらくして増え、いまだ数を減らさないのが自殺である。逃げる道のない者が家に閉じこめられると死ぬ、とわたしは思う。そして寄付などする。 なぜするかといえば、わたしが無力だったころ、世界はたまたま疫病下でなく、わたしにはたまたま逃げ出すだけの足腰の強さがあったからである。そんなのはただの運で、わたしが死なずに別の誰かが死んでいる理由にはならない。その理不尽のもたらす苦痛を少し減らすために、わたしはときどき寄付をする。 わたしがはじめて洗いたてのタオルを使ったのは家を出て進学した十八のときのことである。それまでは風呂に入るときには洗面台のタオルを取って新しいものをかけ、古いほうを自分が使用するきまりだった。それがすでに水を取る能力を持たなければ、家の者の、つまりわたしより先に風呂に入る全員のうち誰かの使い古しを使用した