診断とは

健康文化 41 号 2006 年 10 月発行 1 健康文化 細胞診と組織診 横井 豊治 健康文化の読者の皆さんで、これまでに細胞診や生検組織診（以下、組織診） という検査を受けた経験のある方は尐なくないでしょう。そしてこれらが顕微 鏡で標本を観察して癌などの診断をする検査である、という認識もまた多くの 方がお持ちであろうと思います。それでは、細胞診と組織診の違いをご存じで しょうか。尐々強引ですが、細胞診は単純 X 線写真に、組織診は CT に相当する と言えるかも知れません。簡便性、感受性に秀でる細胞診はスクリーニングと しての役割が大きく検診などにも多用されます。一方、組織診は特異性に優れ ているため、いわゆる“精密検査“として行われ最終診断になることが多いと 言えます。 歴史的なことを言えば、 CT は単純 X 線写真よりも新しい技術ですが、 細胞診と組織診はいずれも歴史が古くそれ