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「途中で、こけちゃいました」
ドラマの数だけ言葉が残った。ロンドン大会で100年を迎える日本の五輪挑戦史、多くの選手たちが勝っ... ドラマの数だけ言葉が残った。ロンドン大会で100年を迎える日本の五輪挑戦史、多くの選手たちが勝って笑い、敗れて泣いた。記録と記憶をつなぐ「言葉」を、当時の感動とともによみがえらせる。【編集委員 荻島弘一】 <男子マラソン・谷口浩美~1992年バルセロナ五輪~> 42・195キロを走り終えた谷口浩美は、照れ笑いで淡々と言った。「途中で、こけちゃいました」。92年バルセロナ大会最終日の男子マラソン、20キロ過ぎの給水所で転倒した。靴が脱げるアクシデントもあって8位。しかし、少しも悪びれず、誰のせいにもしなかった。優しい人柄のにじみでた言葉が日本人を感動させた。この年の日本フェアプレー賞にも輝いた。 谷口 とっさに出た言葉だったし、名言と言われても…。突然マイクを向けられて、とにかくメダルを逃した理由を説明しなくちゃと思って。勝てずに申し訳ないと思っていましたから。まあ、言い訳ですよ。 転倒シー