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もうひとつのジャイアントキリング。|古賀史健
ジャイアントキリング、ということばがある。 のちにイスラエル王となる若き日のダビデが投石器を用いて... ジャイアントキリング、ということばがある。 のちにイスラエル王となる若き日のダビデが投石器を用いて巨人ゴリアテを倒した逸話にもたとえられる、大番狂わせの慣用句だ。他のスポーツ界では「アップセット」の語が好まれるのに対し、サッカー界では「ジャイアントキリング」の語を耳にする機会が多い。きのうのW杯ロシア大会における日本 vs. コロンビアは、まさにジャイアントキリングといえる試合だろう。 試合の展開そのものは、意外なことだらけだった。 開始早々にPKのチャンスを得て、それを確実に決めたこと。しかも相手DFが一発レッドで退場になり、そこから85分間も相手が10人だったこと。ゲームプランの変更を迫られたコロンビアが、前線からの守備をほとんど仕掛けてこなかったこと。自陣に深く引き込んでのカウンター狙いに賭けていたこと。おかげで日本は、(おそらくハリルホジッチがいちばん嫌ったであろう)横パスやバック