[書評]ものぐさ精神分析・・・目から鱗

どこぞのブログで書評を見かけたのかどうか、1年ほどまえにとりあえず購入したものの、しばらく放置したままで今となっては何を思って買ったか思い出せないのだが、心理学者の岸田秀による「ものぐさ精神分析」なる文庫を読んだ。書かれた時期が1975年と、丁度自分が生まれた年と同じだったのも興味を持った理由なのかもしれない。 目次 歴史について 性について 人間について 心理学について 自己について 結論から言うと、ことごとく世の常識とは原因と結果を逆にした結論を導き出す岸田理論はなかなかおもしろく、人間の営みの真理をついていると感じ入る部分が多くあり、普段この手の書籍なり分野なりに全く触れたことのない私としては大変興味深く読めた。人間は本能が壊れている、という出発点にたつため、何を論じても常識とは相容れない結論になるのであろう。 例をあげると、「社会から落ちこぼれたものが犯罪者となる」は「社会は自らが

[sketchlife]

★★★ものぐさ精神分析・レビュー。唯幻論。常識を否定する怖い本質を知ってしまったという感覚。伊丹十三つながり