大論争「ブランドの時代は終わった」 単なる差別化のシンボルではない

ブランドの時代は終わった――。「カンヌライオンズ2024」のブランド論をテーマにしたセミナーでは、米ビジネス界の論客として知られるニューヨーク大学Scott Galloway教授の衝撃発言に対する反論が相次いだ。そこで、花王のマーケターである廣澤祐氏が、ブランド論をテーマにしたセミナーの論点を前後編にわたって読み解く。 カンヌライオンズではマーケティングや広告業界からだけでなく、作家や演出家のようなエンターテインメント業界、研究者などのアカデミアからも実に多様なスピーカーが登壇する。 2024年はアカデミックなバックグラウンドを持つスピーカーとして、米ミシガン大学教授のMarcus Collins氏とマーケティング学の教授でブランドコンサルタントのMark Ritson氏の2人が、現代のブランド論について語った。 ブランド論のアップデートが必要 まず、Collins氏が掲げたテーマは「ブラ