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川原泉『レナード現象には理由がある』(白泉社) - shinichiroinaba's blog
ホモフォビアの疑いで責められている本書だが。 ホモフォビア……というより、他者に対する酷薄さ、自己中... ホモフォビアの疑いで責められている本書だが。 ホモフォビア……というより、他者に対する酷薄さ、自己中心性、とでも呼ぶべきではないのか。 たとえばはてなでどなたかが指摘していたことだが、ホモフォビア疑惑で問題となっている「真面目な人には裏がある」で目に付くのは、「可愛らしい数字」の偏差値と形容されるユリアナ女子高校の生徒たちに対する登場人物たちの(そしておそらくは作者の)視線の酷薄さだ。ありていに言えばそれは差別意識などという生易しいものではなく、それ以前のもの、いわゆる「差別意識」においても普通は存在しているような、対象への関心の見事なまでの欠落である。 更にいえば、この「真面目」で最も異様に映るのは、ゲイの登場人物たち(主人公たちの兄たち)の描き方ではない。主人公日夏晶において「家族・兄弟がゲイだった」という驚きが欠如しており、あくまでも他人事としてしか感受されていない、ということだ。そ
2011/08/04 リンク