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影のない足音 新宿物語(2)
(1) 1 雨の土曜日だった。午後十一時を過ぎていた。バーの中にはわたしの外に三、四組の客がいるだけだ... (1) 1 雨の土曜日だった。午後十一時を過ぎていた。バーの中にはわたしの外に三、四組の客がいるだけだった。少し倦んだ物憂い空気が二十脚ほどのスツールが並んだ、馬蹄型をしたカウンターを持つだけの店内に流れていた。すでに一時の賑わいも失せて、バーテンダーもやや手持無沙汰の様子でピーナッツを齧ったりなどしていた。 いつの間にか女が隣りに来ていた。わたしはまったく気付かなかった。 女がなにかの拍子に、わたしのウイスキーの入ったグラスを倒した。 小さなグラスがカウンターの上を転がり、下に落ちて割れた。 「ごめんなさい ! お酒、掛かりませんでした?」 女が狼狽したように腰を浮かせて言った。 わたしは突然の出来事に、少し気分を害して女を見た。 「本当にごめんなさい。わたし、酔ってしまったみたいだわ」 女はスツールに掛けたわたしの膝の辺りを気にして言った。 バーテンダーが手早くカウンターの上に流れたウ