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ワルチング・マチルダ ~ Tom Traubert's Blues
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ワルチング・マチルダ ~ Tom Traubert's Blues
そういえばこれまで書いたことがなかったけれど、トム・ウェイツが好きです。 ぼくはお酒を飲みません。... そういえばこれまで書いたことがなかったけれど、トム・ウェイツが好きです。 ぼくはお酒を飲みません。けれどこの酔いどれ天使の詩と歌が描き出す世界が大好きなのです。 山崎豊子原作のフジテレビ開局50周年ドラマ「不毛地帯」のエンディング・テーマにも使われることになったという、1976年発表の3作目のアルバム「スモール・チェンジ」収録の代表曲である「トム・トルバーツ・ブルース」 は、星のきれいな冷え込む夜更けに、裏通りの夜道で胃袋が裏返るまで嘔吐するような風情で歌われる、異形の名曲。 曲の構成も演奏のアンサンブルもきわめてシンプルなこの歌の歌詞にちりばめられた、断片的な言葉の数々に聴き入ってしまうと、おそろしいほどの豊穣なイメージに身も心も奪われて、いつのまにかまるで1本の珠玉の映画を見たかのような気分に満たされ、やはりこの男の核にあるのは、たとえばレナード・コーエンなどがそうであるように、深みと