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捜査シナリオから消えた佐川立件 特捜検察が官邸に屈した日
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捜査シナリオから消えた佐川立件 特捜検察が官邸に屈した日
「佐川が逮捕されれば、官邸まで火の粉が及ぶぞ」──永田町や霞が関が慌てふためいた佐川宣寿・前財務省... 「佐川が逮捕されれば、官邸まで火の粉が及ぶぞ」──永田町や霞が関が慌てふためいた佐川宣寿・前財務省理財局長の立件は、あっさり見送りとなった。かつて田中角栄、金丸信などの大物政治家を次々と逮捕し、「泣く子も黙る」と恐れられた特捜検察は、いったい何に臆したのか。ノンフィクション作家の森功氏がレポートする。(文中敬称略) * * * 8億2000万円の値引きという森友学園への国有地売却の発覚から1年4か月、不発に終わった大阪地検特捜部の捜査は、すこぶるわかりにくい結末というほかない。なかでも財務省が首相夫人の存在を隠そうとした土地取引に関する決裁文書の改ざんは、300か所にのぼる公文書の“偽造・変造”だが、それがなぜお咎めなしなのか。官邸が捜査を封じ込めたのか。 ごく素朴にそんな疑問が湧くほどの異常事態といえる。その疑問を解くため、捜査状況を改めて振り返る。 大阪地検特捜部による捜査の端緒は、昨