【メディア今昔】女神原節子と司葉子はいつも一緒－「監督より前に女優と親しくするな」と怒った小津監督 焼き餅？ 小津組秘話（1/3ページ）

昨年９月、９５歳で亡くなった伝説の女優原節子さん（１９２０～２０１５年）。原さんといえば、「東京物語」（昭和２８年）など数々の主演作でその演出を手掛け、名女優に育てあげた巨匠・小津安二郎監督（１９０３～１９６３年）の存在は欠かせない。一方で、原さんは小津監督にとってミューズ（女神）的存在だった。そして、両者を世界に知らしめた名作の撮影現場には、常に「小津組」と呼ばれた日本屈指の撮影チームがいたことも忘れてはならない。（戸津井康之） 小津組撮影監督には６人もの助手が 「すでに小津組にいたほとんどの関係者が亡くなり、今、小津組の現場を知る人は私を含めて数人になってしまいました…」 こう語るのは、撮影監督や撮影技師らで組織する日本映画撮影監督協会で理事長を務める兼松●（＝熈のノがにすい）太郎（きたろう）さん。小津監督の創作人生を追ったドキュメンタリー「生きてはみたけれど 小津安二郎伝」など数々の