【長銀事件】元頭取の大野木被告 厳しい表情崩さず (1/2ページ) - MSN産経ニュース

「ご理解ある判決をいただき感謝しています」。無罪が確定する長銀元頭取の大野木克信被告（７２）は判決後、安堵の表情を見せたが、「捜査当局も最善を尽くしたのでしょう。１、２審判決も判断がおありなのでしょう」と、被告の身にあった９年間への怒りや批判は口にしなかった。 「長銀破綻の道義的責任を感じている」（弁護人）という旧経営陣３人。最高裁では被告が出廷する義務も権利もないが、３人は第２小法廷の傍聴席で判決宣告を待った。 「無罪」の主文が読み上げられると、被告や弁護人らは小さくうなずいた。大野木被告は閉廷後、他の被告らが笑顔で握手を交わすなか、一人厳しい表情を崩さなかった。 最高裁南門近くで報道陣に囲まれると、落ち着いた口調で関係者への感謝を述べ、「両親と家内の父のお墓に報告したいです。いろいろ心配したでしょうから」と語るとタクシーに乗り込んだ。