第壱回「伊豆の踊り子」

川端康成（1899～1972） 大阪市北区此花町に生まれる。帝大英文科卒業後に横光利一と共に「文芸時代」を創刊、 「新感覚派」と呼ばれる文学の潮流を生む。日本人初となるノーベル文学賞を受賞。その四年後にガス自殺で72年の生涯を閉じる。他の代表作は「雪国」、「千羽鶴」、「山の音」、「古都」、「眠れる美女」など。 二十歳になる旧制高校生の「私」は伊豆の一人旅で旅芸人の一行と出会い、その中にいた十四歳の美しい踊り子に惹かれる。そこで私は彼女たち一行と旅を共にすることを決める。 踊り子の清純さに歪んだ心を解きほぐされていく私は彼女に「いい人」と言われ、心から嬉しくなる。短い旅を終え、踊り子と別れ船に乗った私の目からは涙がぽろぽろとこぼれ落ちるばかりだった。 踊り子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結っていた。それが卵形の凛々しい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調

[keiseiryoku]

弟は夏休みの宿題として読書感想文書かせられていた。私は手伝うためはじめて踊り子を読んだ。「いやこれこのカタルシス素敵だけどなんかアレだよね一筋縄でなくて変なアレ混じってるよね」