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[sett-4]

人の家に泊めてもらって、お風呂を出たら、音のないテレビが前衛舞踏を映していた。ごく簡潔な衣装の無表情な男女が、互いに目も合わせずに踊っている。こういうの好きなの、と問うと、好きと言う。なぜと重ねて問うと、十分もしてから「なんだか人のからだがあって、動いていて、意味がないから」と言う。疲れているんだろうな、と思う。眠る前の短い時間に誰かの台詞や意味のある動作を頭に入れることもできないくらい疲れていて、でも人だから、人体を観て安心したいのだろう。惨めなほどに、人は人を求める。