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たわけ同盟: 無題がふさわしい
人生が良からぬ方向に動き出したあの日、私の中に現れた私はこれまでとは異なった人間だった。事情を知... 人生が良からぬ方向に動き出したあの日、私の中に現れた私はこれまでとは異なった人間だった。事情を知っている方には大袈裟に聞こえるかもしれない。そう、誰にでも訪れることだ。しかし当事者にとってはあらゆることを変えてしまう大事件だったのだ。新しい私はそれほど強欲ではない。味の濃い食べ物と、品物ではなく多少の金銭があればそれなんりに満足できる小市民だった。 以前のように贅沢したいとは思わなくなった。欲しい物は相変わらず山のようにあるけれど、手に入れるにはあまりにも遠くて、アイドルに憧れる中学生のようにただ憧れ、眺めているだけだ。以前の私に「憧れ」という感情はなかった。一番近いのは「欲望」だった。 多くのことを諦めてしまった。ずっと楽に諦められるようになったからかもしれない。 こうやって何かを書くということも、できるにはできるけれど、以前のように自然な行為ではなくなってしまった。 悪い意味で大人びて