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アルフレッド・W. クロスビー『飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで』 神は細部に宿り給う
人間は自分達ホモ・サピエンスの長所を精神に求めることに慣れており、動物と身体能力を比較するときは... 人間は自分達ホモ・サピエンスの長所を精神に求めることに慣れており、動物と身体能力を比較するときは、負けることを好む。「俺たち人間はこんなに脆弱な肉体しか持たないのに地上を征服した。だから万物の霊長なんだぜい。イェイ!」と思うと気分がよいのだ。 そのためか、人間の身体能力のうち圧倒的に優越しているものがあることをほとんど忘れている。それは投擲力。ものを放り投げる力。投石は初期人類にとって重要な武器だった。人類はそれを可能にする肩の構造と手を離すタイミングを判断する脳を、かつてブラキエーション*1を行っていた祖先から受け継いだ。 投射の技術は火と結びついて最初期のテクノロジーとなり、やがては人類を月に到達させるまでになる……というお話。すでによくある話と言えなくもないが、類似の本よりまとめ方というか一本筋の通し方がうまいと思う。こういう本が好きな人にも、今まで興味がなかった人にもおすすめ。
2008/10/05 リンク