臨床研究疑惑―成長戦略の土台見直せ：朝日新聞デジタル

日本の臨床研究は、経済成長戦略の投資先とするには、まだ足腰が弱すぎる。そんな懸念を深めざるを得ない。 アルツハイマー病を早く見つける方法の確立をめざす国家プロジェクト「Ｊ―ＡＤＮＩ（アドニ）」で疑惑が浮上した。 臨床研究のデータが不適切に扱われ、一部で改ざんされた疑いも出ている。高血圧治療薬ディオバンの不正に続き、重い倫理が問われる事態である。 厚生労働省は厳正な調査を急ぎ、臨床研究の質を上げる仕組みをつくらねばならない。 このプロジェクトは米国の同様の研究「ＡＤＮＩ」にならって、２００７年に始まった。国と製薬会社が出資し、全国３８の医療機関が参加している。 ６００人の高齢者を対象に、脳の画像診断や血液、心理検査を２～３年続け、早期治療や新薬づくりに役立てる狙いだが、大きな疑問符がついた。 成果を国際的に共有できるよう、米国と同じ手順で検査するはずだった。だが実際には手順から外れていたデー

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“国際的には複数の国による共同臨床研究が増えているが、日本はかやの外だ。データの信頼性や実施態勢の不備が不安視されているためといわれる。”