asahi.com（朝日新聞社）：修羅場のバンコク、最前線でカメラ 死亡の村本さん - 国際

【バンコク＝山本大輔、藤谷健】１０日夜８時ごろ。タイの首都バンコクで反政府集会を続けるタクシン元首相派とにらみ合っていた治安部隊員らが、じりじりと前に進み始めた。せきを切ったようにペットボトルや石が飛ぶ。あちこちで衝突が起きるなか、銃声が鳴り響き、２０人の命が失われた。その中に、ロイター通信のカメラマン村本博之さん（４３）もいた。 現場はバンコク都心の官庁街に近いカオサン地区。外国からの旅行者や若者に人気があり、週末には特ににぎわいを見せる。だがこの日は、修羅場と化した。 催涙弾やゴム弾を撃つ兵士に対し、タクシン元首相派の「反独裁民主同盟」の支持者らは投石などで対抗。さらに手投げ弾が爆発し、自動小銃の音も鳴り響く騒乱状態に陥った。衝突は、治安部隊が引くまで２時間ほど続いた。 目撃証言などによると、村本さんは衝突の最前線でテレビカメラを回していた。半袖姿に薄い緑色系の帽子をかぶり、首か