被災文書２５０箱分修復完了し返送…奈文研 : 奈良 : 地域 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

奈良市の奈良文化財研究所が２０１１年６月から取り組んでいた、東日本大震災で被災した書籍や文書などの保存処理が終わり、２０日、コンテナや段ボール箱計約２５０箱分を被災地に発送した。 文化庁の「文化財レスキュー事業」の一環で、海水につかって汚れた資料を受け入れ、世界最大級の真空凍結乾燥機で水分を飛ばしたあと、付着した泥や塩分などを取り除く作業を続けていた。 この日送ったのは、宮城県気仙沼市の漁協が保管していた明治時代以降の記録や、仙台市の東北大の洋書など。一方、保存処理を終えた資料のうち、福島県須賀川市の文書は、現地の受け入れ態勢が整う２０１４年度に返却するとしている。同研究所の高妻洋成・保存修復科学研究室長は「今後も各機関と連携して文化財を守り、救っていきたい」と語った。

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付着した泥や塩分などを取り除く作業を続けていた