ラルー・ビーズ・ルロワさん Lalou Bize-Leroy : ワインを語る : ドリンク＆ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

世紀をまたぐ魂の醸造家 ブルゴーニュには数多くの卓越した造り手が存在してきた。ある者は天に召され、別の者は子どもに仕事を譲り渡した。しかし、半世紀にわたって、頂点に立ち続けてきた造り手は、マダム・ルロワを含めた一握りしかいない。 空間に入った瞬間、香りの花園に迷い込んだようだった。11月に日本橋高島屋で開かれた試飲会。12個のバルーン型のグラスに注がれたワインが放つ甘き芳香に心を奪われ、マダムのきりっとした姿に背筋が伸びる気持ちを覚えた。 ネゴシアンのメゾン・ルロワ「ブルゴーニュ・ルージュ 1999」に始まり、個人所有のドメーヌ・ドーヴネ「ムルソー・レ・ナルヴォ 2001」まで。彼女が選んだ12種のワインは、底知れない才能の深淵を垣間見せる崇高な液体だった。 例えば、グラン・クリュ「コルトン・レナルド」。ドメーヌ・ルロワの1997年とメゾン・ルロワの1967年を続けて利いた。平均的な作柄の