激動の時期を経験した米銀行業界の預金総額は、データとしてさかのぼれる1994年以降で初めて前年同期を下回った。 S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのリポートによると、米銀の預金総額は6月末時点で約17兆3000億ドル(約2580兆円)となり、前年同期比4.8%減少した。この数字は連邦預金保険公社(FDIC)の年次調査に基づくもので、最新の調査結果は先週発表された。 S&Pの分析結果は、今年に入ってからの銀行の資金流出規模を示すものだ。金利上昇に触発された預金者は当座・普通預金口座から資金を引き出し、より利回りの高い別の選択肢に振り向けた。こうした金利環境を端緒とする一連の銀行破綻も、預金引き出しに拍車をかけた。 最大の預金減少を記録したのはチャールズ・シュワブで、主に証券口座から流出した。S&Pによると、預金残高は31.1%減の3047億9000万ドルだった。金利上昇を受け一部