◇ 小学校の頃は、母からもらうお小遣いが月500円でしたが、中学になったら、要求もしないのに月1万円になった。授業料も文房具も洋服も、全部自分でやりくりをしなさい、と。足りなくなると、庭の芝刈りや母の肩たたきなど「家庭内アルバイト」をしました。 「結婚しても夫が事故で死ぬかもしれない。その時に困らないように、自分の足で生きていけるようにしなさい」。母から、そんなことをいつも言い聞かされて育ちました。母は大正生まれ。少女時代は戦争で、やりたいことがやれなかった。だから、「やりたければ何でもできる時代に、何もしないのはもったいない」という思いがあったのだと思います。 「自分の好きなことをしなさい。ただし、それを極めなさい」とも言われました。今で言うところのオンリーワンですね。 神戸で育ちましたが、高校生の時、「東京の大学に行きたい」と言ったら「そんなに遠い所はダメ」と反対された。なのに、留学先