町の書店が姿を消す一方、図書館の数は年々増え、利用数も急増している。文部科学省の「社会教育調査」によると、全国の公共図書館の数は平成20年度時点で3165館、同5年度の約1.5倍。貸し出し数は約1.7倍、1億7000万冊に。また大学図書館が多い都市部では、書籍の電子化が進み、新しいタイプの図書館も生まれている。 一方、地方の市町村では平成の大合併を経た今日でも図書館がない市町村は3割近い。過疎地域の町村となると、6割近くは図書館がない。欧米と比べると、日本は公共図書館1館当たりの蔵書数は多いが、人口10万人当たりの館数は2.1館と、G7で最も低い。 知の拠点として図書館が十分機能するためには、専門知識をもった司書が不可欠だが、司書がいない図書館は4割近い。子供たちが利用する学校図書館も11学級以下の小規模校では司書設置が義務付けられていないため、司書がいない。 過疎地域と都市部では図書館環