『ゲド戦記』を初めとするファンタジーや、『闇の左手』などのSFの作家として知られるル=グウィンの最晩年のエッセイ集である。 【写真】この記事の写真を見る 驚いたことに、本書はすべて彼女のブログの記事だ。ずっと「ブログの双方向性」に嫌悪を持っていたそうだが、ある高齢者のブログの書籍化を読んで、では自分も、となった。それが何と八十一歳の時である。 しかし練達の言葉の使い手である彼女は、高齢者らしく身体の不調を訴える場合も、言葉遊びやユーモアを忘れない。飼い猫パードの奇妙な行動を観察するときも、思いきり好奇心のばねを利かせ、SFの中の動物を描写するかのようだ。日常の生活のひだをつづるなかで、自分自身を主人公として、三人称で、きっちりと定位し、見つめ直す姿勢が心地よい。 これまで『夜の言葉』(一九七九)『ファンタジーと言葉』(二〇〇四)『いまファンタジーにできること』(〇九)などの評論集で、新しい
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