そば通が言うには、噛まず、するっと飲み込むとのが粋な食べ方だとか*1。喉越しこそが蕎麦なのだ、と。 しかし、ある研究によれば、そばは噛んだほうが「そばポリフェノール」という栄養素をより効率的に摂取できるらしい。 そうなれば、「健康より喉越し」派と、「喉越しより健康」派が対立するのは必然であろう。 健康より喉越し派は言う。 「なーにが『そばポリフェノール』だ。早死にが怖くてそばが楽しめるかってんだ」 しかし、喉越しより健康派はこう切り返すだろう。 「あいつらは見栄を張ってるだけさ。喉越しなんて、健康のことを考えれば刹那的な快楽にすぎないじゃないか」 話は絶望的なまでに噛み合わない。 こうなると、そばで派閥争いである。例えば、ある会社では喉越し派閥が優勢だとしよう。創業者である頑固な会長がそのトップにいる。一方、社長は健康派なのだが、その力は弱く、なんとか切り返しを図りたい。 昼休みは社員たち